サーバの監視やモニタリングなどのサービス・ソリューションを提供するMSP(マネージメントサービスプロバイダ)のハートビーツの馬場さんが「Webエンジニアが知っておきたいインフラの基本」という本を出版されました。
マイナビ (2014-12-27)
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献本頂きありがとうございます!!
冬休みは実家に帰ったり、旅行に行ったりと何かとイベント事が多くなかなか本を読む時間が取れなかったり、年が明ければ弟妹・甥っ子姪っ子にお年玉を上げないとならず、自由に使えるお金も減ってしまうかもしれません。なので、読んでみて欲しい本が何冊もあっても困ってしまいますね。そこで自分がお勧めしたいのが、この一冊「Webエンジニアが知っておきたいインフラの基本」です。
本屋に行く時間がない方も安心。電子版があります
Webエンジニアが知っておきたいインフラの基本 インフラの設計から構成、監視、チューニングまで【委託】 - 達人出版会
http://tatsu-zine.com/books/web-engineer-ga-sitteokitai-infrastructure-no-kihon
この本の目次ですが、
第一章 Webサービスにおけるインフラの領域
第二章 インフラ技術の基礎知識
第三章 Webサービスのサーバ構成ベストプラクティス
第四章 インフラ手配の基礎知識
第五章 Webサービス運用(1) システム監視の基本
第六章 Webサービス運用(2) ステータスモニタリング
第七章 Webサービスのチューニング(1) ボトルネックの見つけ方
第八章 Webサービスのチューニング(2) チューニングレシピ
となっています。
前半の一章から四章はネットワークやシステム構成の基礎をふまえて、要件定義や設計のベストプラクティスが書かれています。広範囲な内容にも関わらずわかりやすくまとまっているので、この前半の章はエンジニアだけではなく、エンジニアと一緒に仕事をするディレクタにも読んで欲しいところです。某社でディレクタをやっている妻も「会社の同僚に読ませたい」と言っていました。
後半はまさに自分の得意としている領域ですが、運用監視を行う場合の指針、監視項目の作り方、障害対応の方法や心構えから始まります。六章以降はCactiのグラフを例にメトリクスグラフの読み方、負荷状況を調査するためのLinuxのコマンド、パフォーマンスを出すためのチューニングのポイントなどが紹介されています。
第六章以降は実際の業務で多いに役に立つ内容であることがもちろんなのですが、最も重要なことは第五章に書かれています。
その中でも
「運用とは育てること! システムそのものだけではなく、手順や監視定義などもはじめから多くは望まず、随時育てましょう」
「重要なのは方針定義・確認・復旧を繰り返しながら育てること!」
と2回も枠をとって書かれているのが印象的です。システムを運用している限り障害は必ず起きるものです、障害はシステムを成長させるチャンスです。そのチャンスを潰さずに運用を育てるヒントが五章で紹介されています。
DevOpsによってインフラを動かす主体がアプリケーションエンジニアに移り、さらにmicroserviceによって担当するサービスの可用性やスケーラビリティの責任が開発するチームに委ねられるようになってきています。障害に気付けない、対応できない、再発対策が実行できないままで居られることはできません。ぜひこの本を手に取って、サービスの運用監視を考える機会になればと思います。全てのWebエンジニア・ディレクタにお勧めの一冊です。